EVは環境にやさしいか (その5)

ここまで電気自動車(EV)とハイブリッド車(HEV)どちらがCO2排出量が少ないか考えてきましたが、結論は

  • 太陽光発電の余剰分を狙って充電するならEVが有利
  • それ以外はHEVが有利

となります。

EVでCO2排出量を減らすためには晴天日中に充電する必要があり、それなりの制約を背負うことになります。また秋~冬は日照時間が短く太陽が傾くため太陽光発電の余剰が少なく、太陽光で充電できるのは主に春~夏になります。現実にはHEVが有利な場合が多いでしょう。

ただし、HEVは必ず石油を燃やすのに対し、EVを再生可能エネルギーだけで充電すればCO2排出がゼロになるという「夢」が叶います。石油+HEVを超えるためにEVまたはカーボンニュートラル燃料+HEVが望ましいかもしれません。

EVは環境にやさしいか (その4)

太陽光発電の余剰分を使うとCO2排出ゼロでEVを充電できます。ではそのためには何が必要なのでしょうか?

 

1. 充電器の大出力化

太陽光の出力制御は日中の数時間しか入りません。この間に十分充電するためには大出力の充電器が必要になります。

1週間の走行分を2-3時間で充電しようと思えば、例えば日産の自宅用6 kW充電器ではやや不足かもしれません。電費によりますが100-150 km分充電できることになります。10 kW以上の充電器が望ましいでしょう。

 

2. 電力料金プランの変更(日中の値下げと深夜の値上げ)

太陽光発電が普及する以前は原子力、火力、水力発電がベースロードとなり日中の需要増を火力が補うという構造でした。そのため火力発電が少ない深夜電力を値下げしてエコキュートなどを運転する、というのが今でもオール電化向けの電力プランとして存在します。

しかし太陽光の存在が多くなった今、この電力プランは実態に見合わないものとなっています。現在は

  • 電力が余っている日中
  • 需要が多く太陽光による発電がないため電力が足りない朝夕
  • 需要は少ないが太陽光は発電しないため(a)と(b)の中間の深夜

の3つの時間帯に分かれるというのが実態です。

しかし深夜電力が安い電力料金が未だに新規で申し込みでき、せっかく電力が余っている日中ではなく深夜にEVを充電したりエコキュートを運転しています。

このようなプランは新規加入は停止し、九州電力の「おひさま昼トクプラン」のように日中の電気料金を安くすることで日中の充電を有利にすべきです。

 

 www.kyuden.co.jp

 

EVは環境にやさしいか (その3)

ここまでの計算でEVはHEVと同じかやや劣るCO2排出になることがわかりました。マージナル電源の考え方から火力発電で充電する前提で計算しましたが、マージナル電源がそれ以外になることはないのでしょうか?

実はマージナル電源が太陽光になる、つまりCO2排出量ゼロでEVを充電できる時間があります。それは日中、太陽光発電に出力制御が入っているときです。

関西電力HP(https://biz.kepco.jp/support/faq/renewable_business/01_021/)より

2023年は出力制御で1920 GWh (19.2億 kWh)の電力が捨てられました。現在日本ではおよそ30万台のEVが走っており、電費を150 Wh/kmとすると1台あたり4万km以上走れる計算になります。

それでは、昼間ならいつでも出力制御された分でEVを充電できるのでしょうか?残念ながらそうではありません。

上のグラフは月毎と曜日毎の出力制御が入った時間をまとめたものです (2023年、九州電力のデータより作成)。出力制御が入るのは太陽光発電がフル稼働する日中で、季節は春と秋、曜日は日曜が多いです。夏と冬は冷暖房に電力が使われるため、太陽光でEVが充電できるのはせいぜい1年の1/3になってしまいます。

晴れた日に洗濯するように、晴れる日を狙って日中充電できるならEVはCO2を排出しない乗り物です。例えば平日は通勤に使い休日日中に充電するならEVはHEVより環境にやさしくなります。

次回は、太陽光発電でEVを充電するために何が必要か考えます。

(その4につづく)

EVは環境にやさしいか (その2)

さて、ICE車、HEV、EVの詳しい特性をみるためWLTCモードの走行モード別燃費をグラフにしました。

 

いずれの走行モードでもCO2排出量はHEVが最良、ICE車がもっとも劣っています。EVは市街地モードではHEVに近い一方高速モードではICE車と同等です。

CO2排出量からはICE車は選ばず、HEVにすべき、市街地走行がほとんどの場合はEVも選択肢に入ると言えます。

ここまでその1の冒頭で述べた「マージナル電源 (EVのために発電量が増え、増加分は火力発電で作られる)」を前提としてきました。この前提は正しいのか、その3で考えたいと思います。

(その3につづく)

EVは環境にやさしいか (その1)

電気自動車(EV)はCO2削減に有効なのでしょうか?

 

全電源平均のCO2排出量とEVの電費から計算すると確かにEVはCO2排出が少ないです。一方でマージナル電源 (EVのために発電量が増え、増加分は火力発電で作られる) を考えると純エンジン車とCO2排出量は変わらない、という反対意見もあります。そこで現在販売されているクルマの燃費・電費から実際どうなのか検討してみます。

 

グラフに純エンジン車 (ICE)、ハイブリッド車 (HEV)、EVのCO2排出量の分布を示しました。現在の軽~Dセグ車の燃費・電費を基にしています。

マージナル電源のCO2排出量はいい資料が見つからなかったのですが、天然ガス火力と石炭火力の間をとって750 g/kWhとしています。

 

CO2排出量はHEV<EV<ICE車の順になっていることがわかります。

それでは、HEVがCO2排出量が最も少ないと結論していいのでしょうか?

 

(その2につづく)

 

ウクライナ戦時国債を買ってみた(その4)

 ウクライナ戦時国債を買ってみた(その4)

 

※注意!ウクライナ戦時国債には元本割れのリスク、フリヴニャ・ドル・ユーロの為替リスクがあります。口座の申込・送金・投資は自己責任で行ってください※

※筆者はウクライナ戦時国債を購入しましたが、償還後に日本の口座に送金できるかは確認していません。多額の送金手数料がかかる、または送金できない可能性があります※

 

 送金ができたらICUの口座に反映されたか確認します。

 左のタブから"Assets"を選ぶと"Cash"の欄の"Balance"に残高が出てきます。画像はすでに戦時国債を購入した後なので国債も表示されています。"Cash flow"のタブにも入金の履歴が出てきます。

 

 戦時国債を買うために"UAH Bonds"タブに移ります。ドル・ユーロ建て国債の場合はUSD/EUR bondsタブを選びます。なお、ウクライナ時間の平日日中でないと取引はできません。期日間近から2年物まであり、実質的な利率は15-17%です。

 

 ウクライナ軍のマークがついているのが戦時国債です。買いたいものをクリックすると詳細が表示されるので、購入する単位数を記入し"I know market price"にチェックを入れて"Buy"をクリックします。

 

 SMSかメールに2段階認証のコードが送られてくるので入力して"Confirm"をクリックすると購入完了です。

 

(おわり)